津島 曜一郎

ドイツ人

Guilty Kiss 遊覧船でどこまでも

鞠莉「皆様~、本日は~、遊覧船ちどりにご乗船いただき~、ありがとうございましたー!」

梨子・善子「わぁー……」

鞠莉「あちらをご覧くださーい! あのこんもりと盛り上がったグリーン豊かな島が、そう! 淡島!」

梨子「グリーン豊か……」

鞠莉「淡島にあるのは、あわしまマリンパーク! とってもマリンなパーク!」

善子「何よ、マリンなパーク! って」

鞠莉「そして淡島には、淡島ホテルも。私が住んでる!」

梨子「いや鞠莉さんの情報は必要ないと」

鞠莉「そして今、ダイヤ達がバイトをしてる!」

善子「もっといらない情報よ、それ」

鞠莉「さあー淡島のことはこれくらいでいったん忘れてー」

梨子「忘れるの!?」

鞠莉「あちらをご覧くださーい! マウントフジヤーマ!」

梨子・善子「おー!」

梨子「キレーイ!」

善子「今日は天気がいいから、いつもよりくっきり見えるわね!」

梨子「けど、本当こっちって富士山が大きく見えるよね。東京だったら絶対無理だな」

善子「何それ! 東京に住んでた自慢? 言っておくけど、魔界からだって富士山は見えないんだから!」

梨子「ま、ま、ま、まま、魔界?」

鞠莉「富士山と言えば有名な歌が。友達を100人作っちゃおうっていう歌!」

梨子「あ~、そうだね。あれって100人で富士山に登る歌だね」

鞠莉「そう! でも、そこには実は、知られざる悲劇が……」

梨子「悲劇?」

鞠莉「友達100人出来るかな……100人で富士山に……けど、友達100人ということは、本人と合わせて、101人のはず!」

梨子「あ! 言われてみれば!」

善子「きっとその1人は、魔界に足を踏み入れて戻れなくなってしまったのね。くっくっく……」

鞠莉「これが富士山にまつわる本当にあった怖い話でぇーす」

梨子「ないよ、そんな話」

鞠莉「さあー気を取り直してー!」

善子「あなたが暗くしたんですけど!」

鞠莉「向こうに見えるのは、そう! みかん畑! みかんの木がいーっぱい! あっちにもみかん畑、こっちにもみかん畑、見渡す限りのみかん畑!」

梨子「見渡す限りは大げさだけど、確かにいっぱいあるよね」

鞠莉「どうしてこんなにみかん畑があるのかなぁー? はい! そこの子!」

善子「えっ!? 私!?」

鞠莉「みかん畑がいっぱいあるのはどうしてでしょーう」

善子「そ、そんなの……魔界から来た悪しきみかんの種がこの世界を支配しようとしてるからに決まってるわ!」

梨子「そんなわけ……」

鞠莉「せいかーい!」

梨子「正解なの!?」

鞠莉「20XX年、世界はみかんの炎に包まれようとしていた!」

梨子「何、みかんの炎って」

善子「燃え盛るみかんの炎によって、世界は阿鼻叫喚の地獄へと変わるのよ!」

梨子「こっちも乗ってきちゃった!」

鞠莉「エキサイティーング! 果たして世界は、このみかんの侵略を食い止めることができるのか! と、盛り上がってきたところで、ガイドは終了。本日はご乗船、ありがとうございましたー!」

梨子「唐突すぎる……」

鞠莉「さあーどうだった? 私の遊覧船ガイド!」

梨子「えーっと……」

鞠莉「点数をつけると何点? 100点? 200点?」

梨子「なんでそんなに自信満々なの?」

善子「5点!」

鞠莉「オ゛オ゛ォウ!」

梨子「善子ちゃん、それは低すぎ」

善子「善子じゃなくてヨハネ!」

鞠莉「オーウ! 5点満点で5点? パーフェクト!」

善子「そんなわけないでしょ! 1000点満点中の5点よ! つまり、全然ダメ!」

鞠莉「えー」

梨子「1000点中5点ってことはないけど、確かに、鞠莉さんが遊覧船のガイドをするのは難しそうかな」

善子「まったく、時間の無駄だったわ。じゃあ次は私ね」

梨子「やるの?」

善子「やるわよ! 3人がそれぞれ試して、一番向いてる人がこの遊覧船のガイドをやる! そう決めたわよね!」

梨子「決めたけど……」

善子「この遊覧船を盛り上げるために、私達がガイドをやる。けど3人は多すぎるから誰か1人にしよう、と」

梨子「うーん、でも、今更だけど、やっぱりガイドはいらないかも」

善子「さあごらんなさい! この堕天使のヨハネが! 地獄への道先案内を見事に勤めて見せるわ!」

梨子「やっぱりダメか」

善子「あちらに見えるのは、血の池……」

鞠莉「あーーー!」

梨子・善子「きゃあ!」

梨子「え、何!? どうしたの鞠莉さん!」

善子「卑怯よ! そうやって私のガイドを妨害するなんて!」

鞠莉「あれ! あれあれ!」

(波の音)

梨子「海に何かいるの?」

善子「どうせ魚でしょ? 珍しくもない」

鞠莉「あれだよあれ! あーれー!」

梨子「えーっと、どれ?」

善子「何よー、全然わからないわ」

鞠莉「よーし!」

梨子「あ、鞠莉さーん! どこ行くのー!?」

善子「敵前逃亡ね。というわけで、この遊覧船のガイドは私が!」

梨子「あ、戻ってきた」

善子「ちっ!」

鞠莉「おーりゃーー!」

(海にルアーが落ちる音)

梨子・善子「きゃあ!」

梨子「何!? 釣り竿?」

善子「カツオの一本釣りでもするつもり!?」

鞠莉「かかった!」

梨子・善子「え!?」

鞠莉「んっしょ、ん~……2人とも手伝って!」

梨子・善子「う、うん」

鞠莉・梨子・善子「うーん……くぅ~……うーん……えぇーい!」

(何かが船に釣り上げられる音)

鞠莉「イエースフィーッシュ!」

梨子「はあはあ……すごい大物だったね」

善子「一体何を……ひぁ!」

梨子「こ、これって、ア……」

善子「ア……」

梨子・善子「アー!」

鞠莉「アマガエル?」

梨子・善子「アザラシ!」

善子「これのどこがアマガエルに見えるわけ!? アザラシよ! アザラシ!」

(鳴き声)

梨子「え、私達、アザラシ釣っちゃったの!? ていうか、ここら辺じゃ珍しくないの? アザラシ」

善子「珍しいわよ! ちょ、どうするのアザラシなんて!」

鞠莉「飼う!」

梨子・善子「はぁ!?」

鞠莉「ホテルで飼う!」

梨子「ホテルはペット持ち込み禁止なんじゃ」

善子「それ以前にアザラシなんてどうやって飼うのよ!」

鞠莉「じゃあ、食べる?」

梨子・善子「たぁーべぇーるぅー!?」

鞠莉「ごめんねマイコー、梨子ちゃんと善子ちゃんが、マイコーのことどうしても食べたいって」

梨子・善子「いやいやいや!」

梨子「言ってないから! 食べないから!」

善子「あと私はヨハネよ!」

鞠莉「え? 2人ともマイコーのこと嫌い?」

梨子「どっちの意味で?」

善子「というか何よ、マイコーって」

鞠莉「マイコーマイコーだけど?」

善子「当たり前みたいな顔して言わないでよ! いつそのアザラシの名前がマイコーになったのよ!」

梨子「というかなんでマイコー?」

鞠莉「マイコーが言ったんだよ。僕の名前はマイコーですって!」

善子「言ってないわよ!」

鞠莉「テレパシー?」

善子「ない!」

鞠莉「え? ないの?」

善子「う……ないわけないじゃない、けど、そういう選ばれた力を使えるのは選ばれた存在であるこのヨハネのような」

マイコー「こんにちは、僕マイコー!」

善子「はっ! 聞こえたわ! 今、確かにテレパシーでマイコーの声が!」

梨子「いやいや、鞠莉さんが口に出して言ってるから」

マイコー「僕はマイコー! 遠い北の国から流氷に乗ってやってきたんだ!」

善子「私はヨハネ。遠い煉獄の闇から召喚されし堕天使よ」

梨子「何この会話」

マイコー「僕、たった1人でここまで来たんだ! だから、マリーに飼ってもらえないと、またひとりぼっちになっちゃうんだ……」

善子「だから何? 孤高であることこそ、悪の美学よ」

マイコー「孤高って何?」

善子「1人でも誇り高くあることよ、この私のように」

マイコー「けど、善子ちゃんは1人じゃないよね?」

善子「それは、まあ……」

梨子「なんで善子ちゃんの名前知ってるの?」

善子「あっ! 善子じゃなくてヨハネ!」

マイコー「いいんだ、善子ちゃんの気持ちはわかるから」

善子「だから私はヨハネ!」

マイコー「いきなりやってきた僕なんて、邪魔だよね」

善子「えぇ!? 邪魔なんてそんな」

マイコー「ううん、いいよ。善子ちゃんは優しいから、僕を傷つけないように本当のことを言わないんだね」

善子「優しい? この悪の化身たる堕天使のヨハネが?」

マイコー「うん、僕にはわかるよ! 今、僕と善子ちゃんの心は、繋がりあってるから!」

善子「つ、繋がりあって」

マイコー「じゃあね善子ちゃん、僕、行くから」

善子「あっ」

マイコー「さよなら」

善子「待って!」

マイコー「え?」

善子「勘違いしないで、あなたを認めたわけじゃないわ。海の魔獣であるあなたを、来る召喚の日の生贄にする。それまではそばにいさせてあげるっていうだけのことよ」

マイコー「善子ちゃん!」

善子「マイコー!」

梨子「あ、マイコーって名前認めたんだ」

鞠莉「ということで! マイコーを飼うことに決定しましたー!」

梨子「いやー、まあ、うん、いいんだけど」

鞠莉「アザラシって何食べるのかな? タラバガニ?」

善子「ロブスターよ」

梨子「どっちにしろお金はかかりそうだね」

善子「あっ!」

梨子「善子ちゃん?」

善子「なんてこと……罠にかけられていたわ。マイコーに忘却の魔法をかけられていたわ」

梨子「忘却?」

善子「私達は何でここにいるの? 遊覧船のガイドを決めるためでしょ!」

梨子「あ、言われてみれば」

鞠莉「それならもう決定したよ」

梨子・善子「え?」

鞠莉「はい、挨拶して」

マイコー「僕はマイコー! 今日から遊覧船ちどりのガイドをやらせてもらいます!」

善子「マイコーが!?」

梨子「アザラシが遊覧船のガイドなんて、あ、いや、逆に珍しいから人気が出て!」

善子「ダメよ! それだけは認められないわ!」

マイコー「どうして? 善子ちゃんは、マイコーのこと嫌い?」

善子「う……嫌いじゃないけど……それとこれとは別の問題で!」

マイコー「わかった! じゃあ一緒にやろー!」

善子「一緒に!?」

マイコー「こんにちは! マイコーです! この子は友達の善子ちゃん!」

善子「だ、誰が友達よ! あと私はヨハネ!」

マイコー「ねえ善子ちゃん、僕らが乗っているこの遊覧船はどこへ行くの?」

善子「そんなこと決まってるわ! 底知れぬ闇の世界へ向かって……」

梨子「結局2人でやってるけど」

マイコー「あ! 大きな島が見えるよ! タラバガニがいっぱい獲れるかな?」

善子「甘いわね。タラバガニどころか、伊勢海老も真珠も、松坂牛も獲れるわ!」

マイコー「わーすごーい! よーし! あの島に上陸だー!」

善子「そして征服よー!」

鞠莉・善子「おー!」

梨子「これって、ガイドって言えるのかな?」


場面チェンジ


ルビィ「うぅ……どうしよう……お姉ちゃんに怒られる……うぇぇん……」

曜「泣かないで。ルビちゃんは何も悪くないって、私が説明するから」

千歌「私も言うよ、ルビィちゃんは悪くないって」

曜「そうだね……ていうか、悪いの千歌ちゃんだからね?」

千歌「ええ!?」

曜「本気で驚かれても」

千歌「曜ちゃん、私、何が悪かったの?」

曜「うん、まあ、バイト中に黙ってお店からいなくなったら、普通クビになるよね」

千歌「お店のためを思って行動したのに!?」

曜「千歌ちゃんの場合、その思いの方向がちょっとずれてるというか」

千歌「大丈夫、いつかきっとわかってくれるよ」

曜「そのポジティブさが半分くらいルビィちゃんにいけばちょうどいいのにね」

ルビィ「でもどうしよう、ルビィ達全然お金貰えなくて、今度のライブの衣装代……」

千歌「大丈夫、何とかなるって!」

曜「なるかなぁ……」

ルビィ「うぅ……教室ついちゃった」

千歌「もうみんな先に待ってるかな」

曜「みんなはバイトどうだったかなぁ」

花丸「あぶなーーーい!」

千歌・曜・ルビィ「え?」

花丸「待って! その扉を開けないで!」

曜「えっ?」

ルビィ「どうしたの? マルちゃん?」

ダイヤ「油断してはダメですわ、ルビィ!」

ルビィ「お姉ちゃん?」

ダイヤ「気が緩んでる何気ない日常、それこそ敵が最も罠を仕掛けやすいタイミングですわ!」

ルビィ「敵!? 敵って!?」

ダイヤ「3人とも扉から下がって! 花丸さん、対象物チェック」

花丸「了解!」

曜「ど、どうしたの2人とも?」

ルビィ「お姉ちゃんが変になっちゃったよぉ!」

果南「変っていうか、後遺症?」

曜・ルビィ「果南ちゃん」

果南「マルもダイヤもちょっと入り込みすぎちゃったっていうかね」

曜「入り込んだって、何に?」

果南「……バイト?」

ルビィ「え? お姉ちゃん達、ホテルで働いてたんじゃ」

果南「だからこうなっちゃったっていうか」

曜・ルビィ「だから?」

果南「ホテルで起こるどんな事件にも対処できるようにって、それがどんどんエスカレートして……」

曜「こんな、SPみたいな感じに?」

花丸「はっ! 大変です班長! 扉の向こうから怪しい気配が!」

ダイヤ「何ですって!?」

ルビィ「お姉ちゃん、班長なの?」

花丸「どうします? 班長」

ダイヤ「焦ってはダメですわ、こういう時こそ慎重な判断が」

千歌「班長! 私に行かせてください!」

ルビィ「千歌ちゃん!?」

曜「千歌ちゃんまでその気に?」

千歌「自分が先に突入して、中の様子を探ります!」

ダイヤ「ダメですわ、危険すぎます」

千歌「危険は承知の上です。けどそれが、自分の仕事ですから」

曜「いつ仕事になったの?」

花丸「千歌ちゃん、マルも!」

千歌「ううん、ここは私1人で行く。何かあったら、後は頼むよ」

花丸「千歌ちゃん……」

ダイヤ「行きなさい、千歌さん。責任はすべて私が持ちます」

千歌「了解。一七〇〇、高海千歌、潜入します!」


場面チェンジ


花丸「千歌ちゃーん、焦らないで」

ダイヤ「慎重に、慎重にですわよ!」

(扉を開ける音)

ルビィ「本当に何かいるのかな?」

曜「いやいや、ここ学校だし!」

果南「けど、なんかリアルにそれっぽい空気になってきたっていうか」

(異常音)

千歌「わあああああ!!」

曜・ルビィ・果南・ダイヤ・花丸「千歌(ちゃん)(さん)!?」

花丸「た、大変! 千歌ちゃんが!」

ルビィ「食べられちゃう!」

ダイヤ「す、すぐに救助を!」

千歌「来ないで!」

ダイヤ「えぇ!?」

千歌「私、もう……犠牲になるのは、私……1人で……」

ダイヤ「何を言ってますの……私達は、チームですわよ!」

千歌「ありがとう、隊長……私、隊長と一緒に仕事ができて、うれし……かっ……ぐはぁ!」

ダイヤ・花丸「千歌さーん(ちゃーん)!」

ルビィ「千歌ちゃんが食べられちゃった!」

曜「いやいや食べられてないから! 上に乗っかられてるだけだから!」

果南「ていうかちょっと待って! ア、アザラシが、3匹!?」

鞠莉「マイコー! デイヴィーット! スティーブ! Come here!」

(鳴き声)

鞠莉「Good! みんなちゃーんと挨拶できたね」

曜・果南「いやいやいや!」

曜「そのアザラシ達、全員鞠莉ちゃんが?」

鞠莉「ノー!」

曜「へ?」

鞠莉「マイコーはアザラシだけど、デイヴィットはアシカで、スティーブはオットセイ!」

曜「そこは今問題じゃなくて!」

果南「あ! 梨子に善子、これって一体……」

梨子「それが……」

善子「遊覧船で釣れたのよ」

果南「遊覧船で釣れた!?」

梨子「嘘みたいだけど本当に釣れちゃって。マイコーだけでもあり得ないけど、そのあと、デイヴィットと、スティーブも……」

善子「きっと私の力ね。堕天使としての、あふれる魔力によって無意識に召喚してしまったのよ。3つの僕達を……」

ダイヤ「鞠莉さん! これはどういうことですの!?」

果南「ダイヤ?」

曜「SP終了?」

ダイヤ「学校に……あなた……なんていう! 学業に関係ないものを持ち込んで良いと思ってますの!?」

果南「それ以前の問題だと思うけど」

ダイヤ「とにかく、学校にペットを連れてくることは禁止です!」

鞠莉「ペットじゃないよ!」

ダイヤ「え?」

鞠莉「メンバーだよ!」

ダイヤ「メンバー!?」

鞠莉「イエース! マイコー、デイヴィット、スティーブの新ユニットを」

ダイヤ「ないですわよそんな予定!」

千歌「そうだよ、問題あるよ」

鞠莉「オーゥ、千歌?」

ダイヤ「そうですわ! 千歌さんからも言って差し上げて!」

千歌「次のライブの衣装のことがまだでしょ!」

ダイヤ「って、そこですの!?」

果南「いやダイヤ、そもそも私達、そのためにバイトしてたんじゃ」

ダイヤ「あっ」

ルビィ「ごめんなさいお姉ちゃん、ルビィ達、バイト上手くいかなくて」

花丸「大丈夫、ルビィちゃん! よく考えたら、マル達の方も全然働いてなかったから」

ダイヤ「大丈夫じゃないですわよ!」

果南「遊覧船の方は……って、聞くまでもないか」

鞠莉「No problem! 新ユニットで集客を」

ダイヤ「それ以前に衣装のお金がないんです衣装の!」

千歌「あるよ」

千歌以外「えっ!?」

千歌「私達、バイトは上手くいかなかったけどちゃんと見つけてきたから! 次のライブの衣装のアイディア!」

千歌以外「おー!」

ルビィ「すごい千歌ちゃん! いつの間に!」

曜「本当に、大丈夫?」
 
千歌「私達、みかん畑に行ってきたの! 松月の新しいお菓子のアイディアを考えるために! そこで私、衣装のアイディアも思いついちゃったの!」

花丸「おー、すごいずら!」

果南「みかん畑でアイディア?」

ダイヤ「まさか、衣装をみんなみかん色にするとか?」

千歌「キーワードは、リサイクルだよ!」

千歌以外「リサイクル?」

梨子「あ、古着を買ってきて、ライブの衣装に直すの?」

鞠莉「オーゥ! なるほど! リサイクル!」

善子「アイディアってそれだけ!? 大体、この辺りに古着屋なんてないじゃない!」

千歌「ふっふっふ、ここならではのものがあるじゃない!」

曜「ここならではのもの?」

千歌「そう! あふれんばかりのあの! みかん畑が!」

ダイヤ「だからみかん色の衣装なんて!」

千歌「みかん色、じゃないんだよ。みかんそのものなんだよ!」

ダイヤ「え?」

千歌「いーっぱい採れるみかん!そして、いーっぱい出てくるみかんの皮! そのみかんの皮を、リサイクルして衣装を作るんだよ!」

千歌以外「えー!?」

千歌「お金もかからないし、材料もたーっぷりあるし! 私達らしい個性もある。一石三鳥だね!」

ダイヤ「で、できるわけありませんわよそんなこと!」

千歌「できるよ! だって革ジャンだってあるし」

ダイヤ「その革とこの皮は違いますわよ!」

梨子「み、みかんの皮ジャン?」

曜「確かに個性的ではある……かな?」

ルビィ「い、嫌だよ。みかんの皮を着てライブ」

花丸「なら、リンゴの皮? バナナの皮?」

善子「悪魔の皮なら、いつでも用意できるわよ」

鞠莉「エキサイティーング!これが日本のモッタイナイスピリッツ!」

果南「いや微妙に違うような」

千歌「さあー! 早速衣装づくり、始めるよー!」

千歌以外「えー!?」

梨子「千歌ちゃーん……」